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ブルックリン虹のかけ橋日本語学校
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5月20日 小学部高学年授業報告

6/4/2017

 

蜂に関する授業も今日で5回目を迎え、トピックに関する知識もみなだんだん深まってきました。
今学期はまず始めに花のしくみや働きバチの生態やミツバチの危機についての要約文を読み、蜂について話をするために必要な語彙を日本語で学びました。
それに引きつづき、屋上の養蜂場を実際に見学をすることによって、その知識を自分の眼で確かめ、またミツバチのよりくわしい生態や蜜源植物についてもビーキーパーさんから学ぶことができました。

先週は蜂からは一歩さがり、これまでに学んだ「くさかんむり(艸冠)」と「きへん(木偏)」の漢字を復習しました。集めればわりとでてきて、どちらも高学年では知っておきたい漢字が9個ずつありました。(花、葉、薬、苦、若、草、芽、菜、茶。桜、村、校、根、枝、植、机、機、森。)

さて今週は「蜂と文学」と題して、トルストイの『アンナカレーニナ』より、登場人物が森の中の養蜂場を訪れる大変印象深いシーンを抜萃して、読みました。今回は始めての試みで、まず一ページほどの文章を英語でよみ、その内容をくわしく日本語で話合いながら、最終的にはその中の一節を日本語に訳して書くという作業をしました。トルストイはどこの国の作者?ということに始まり、ファンタジー好きの高学年の二人と「文学、小説、ロシア、登場人物」などのキーワードを使って、楽しく話合いながらそのテキストの世界に入っていきました。

主人公のレビンが、彼の養蜂場を訪れた家族を木株に腰かけさせて待たせている間に養蜂場の中に入っていくシーンで、彼のひげに蜂がからんだり、彼がベールを被って蜂の巣のある方へ行く様子や、ミツバチの動きをトルストイが詳しく書いています。apiary(養蜂場)、beehives(蜂の巣), drones(オス), working bees(働きバチ) などのおなじみの単語を手がかりに、その情景を思い浮かべ、どういうことなのか話合いました。

ここの養蜂場は森の中にあり、私たちの学校の屋上の近代的な箱の蜂の巣とはどうも様子が違う(ーートルストイの蜂の巣はただ木株に穴をあけただけのものである)ことや、改めて蜂の恐ろしさ(ーーひげや髪の毛に蜂は絡みつくことがある、だから主人公はベールを被るし、私たちも屋上に行くときは帽子を被らなくてはいけないし、蜂を怒らせるような行動をしてはいけない)を確認しました。冬馬君が読んだのは英語で15行も途切れるところのない長文でした。

最後に、”In his ears rang incessantly a variety of sounds: now of a busy working bee flying swiftly past, now of a buzzing idle drone, then of the excited bee sentinels guarding their treasure from a foe and prepared to sting” という一節を一緒に口頭で日本語に訳し、私がノートに書いたものをそれぞれのノートに、英語文とそのシーンの絵と一緒に書きました。咲良ちゃんのノートには木株の蜂の巣の絵が、冬馬くんのノートには蜂がひげに絡みついたレビンの絵が描かれています。(下に添付したのは私のノートです。)

そもそもトルストイがロシア語で書いた文章を私たちは英語で読んだ。それを自由に日本語にすることもできる、つまり「翻訳する」ということ、自分たちのすでに持っている日本語の知識でそういうこともできるのだということを知ってもらいたかったので、敢えて今日は英語の教材を使用しました。継承語の教授法では普通は翻訳、つまり頭の中で逐語訳させるようなことは御法度かもしれませんが、小学生といえども高学年ともなると、ある程度日本語の文法などを知ることも必要であると私は考えています。シュタイナー自身もシュタイナー学校創設時(1919年)に言っています。9才以上の子供には、博物誌と同時にラテン語などの文法を教えるカリキュラムも必要であると。

SちゃんもTくんもバイリンガルなので英語で読めばその文章の大体の意味はすぐに掴み、口頭で日本語で説明することができます。ただしそれをその原文(この場合は英語)に相当な語彙で語り、書くとなると、まだこれから訓練していく余地はたくさんあります。「読む、書く、聞く、話す」という言語の4つのモードに関して、理解ある御家庭の中で育った子どもはは無意識のうちに「聞く、話す」は出来るようなりますが、日本語で「読む」こと、さらに「書く」ことには今まで以上に時間を費やして訓練をしていく必要があります。この一文を英語と日本語の両方で書くことにより(ーー咲良ちゃんの英語の筆記の早いこと!)、日本語で「なんとなく分かる・言える」ことをもっと効果的な語彙を使用して書くことの難しさが身にしみた今日の授業でした。でも、もう既に日本語で「なんとなく説明できる」だけでもすごいのだよ、と二人ともが既に持っている自分の日本語力とその可能性を再確認することもできたのではないかと思います。最後に、800ページ以上の部厚い本ですが、その中のたった一ページを読んだだけでここまで深い世界を提供してくれたのはやはり文学の力に他ならないと思いました。またこれからも時々本物の文学作品に触れる機会を作れたらと思います。

6月3日は最後のメインレッスンになります。(6月10日は修了式なので新たに新しいことを沢山学ぶことはできないと思います。)今学期のまとめとして、授業中に「蜂」についての詩をそれぞれが自由に創作できればといいなと思います。よろしくお願いします。

コーン紗惠子
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