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ブルックリン虹のかけ橋日本語学校
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2018年5月12日小学部高学年授業報告

5/23/2018

 
明日は母の日です。今日は、朝の会の後、小学部ではお母さんたちに「お手伝いクーポン券」付きの、カードを作成しました。中高学年は、墨に小筆で、簡単なメッセージも書いてもらいました。大変印象的だったのは、どの子も、傍目にはもう完成しているように見えるカードを、いつまでも愛おしそうに、絵やメッセージを足して止まなかったことです。みんな、どれだけお母さんのことが大好きなのか、見ていて心動かされました。習字でメッセージを書き終わっても、今度は墨絵で花を描き始めたり、みんな与えられた時間を目一杯使い、カードを作成しました。そんな気持ちはきっとお母様方のところへ届いたことでしょう。

メインレッスンでは、今日からいよいよ本州の郷土史の勉強に入りました。今週、来週と、東北地方について学びます。ルドルフ・シュタイナー(1861-1925)のほぼ同時代人の、柳田国男(1875-1962)が書いた、有名な『遠野物語』(1910)より、一つの短い説話を紹介しました。

『遠野物語』は、岩手県の北上川の支流の「猿が石川」周辺にある、遠野(とおの)という町とその周辺の山あいの集落を舞台にした、説話集です。稲作や狩猟を生活の中心にしている遠野の人々が体験した、さまざまな不思議な話の聞き書きが記録されています。オクナイサマ 、オシラサマを始めとする神様、狐、狼、熊、鹿や猿などの動物、そして盗賊、山男、ザシキワラシ、河童、天狗、雪女、ヤマハハなどの「異人」と遠野の人々の encounter (邂逅)について、一種独特な文語体で書かれています。シュタイナーはその著作物の中で、それぞれの民族の言語文化に内在している folk spirit の主体としての archangels の存在について語っていますが、そういうものについて考えると、私はいつも柳田国男の『遠野物語』のことを想うのです。

日本民俗学のパイオニアとして有名な柳田国男ですが、日本も近代化、西洋化が急ピッチで進む中で、失われかけている日本文化真髄を、東北地方の山村社会、またそこで語り継がれて来た昔話の中に見出したのでした。無論、アメリカで生まれ育った生徒たちには「なんじゃらほい?」と思われるような世界かもしれませんが、すでに失われてしまった日本の伝統やそれにまつわる人々の生活習慣について、少しでも知って(感じて)もらえたらと思い、あえて文語体で書かれた『遠野物語』をトピックに選びました。

そういうわけで、『遠野物語』の中でも、何度読んでもいつも心惹かれる「オクナイサマ 」という地方信仰の神様についての一節を紹介しました。始めは、実はそのまま文語体で読みました。とても短い説話なので、一気に私が読みました。生徒たちはもちろん目は点。たぶんアシスタントのA先生も目が点。もちろん文語なのですから、意味はわからなくても仕方ありません。「どうだった?」と聞くと、「何言ってるのか全然わからなかった」「へんなことばだった」と皆、正直な感想。ただ、「小僧」が出てくることは、理解できたようでした。「これは文語といって、昔の日本の言葉で書かれているので、それを先生が現代の日本語に直したものを、いっしょに読みましょう。」と、オクナイサマ の話を読みました。とにかく、三人は読むよりももう既に字を書きたくて仕方のないようでした。

今日は、「オクナイサマ 」の話を紹介する前に、簡単に稲作文化についての説明と、この説話の挿絵になる「田植え」のシーンの絵を先に描きましたので、要約文を書写する時間があまりなくなってしまいました。5月19日も授業ですので、時間はあまりありませんが、この要約文を仕上げてくることを宿題とします。いつものことですが、三人それぞれの「田植え」の絵になりました。同じ画材を使っても、発色なども異なり、それぞれの性格が出ていて面白い、とつくづく思います。みな、それぞれに力強い絵が描けました。一番大切なことは、私たちがこの「田植え」のシーンを描きながら、色彩を通して本当に田植えをしているような気分になれたことです。まず、「たんぼのた」を大きく書き、そのなかに土を入れ、水をまぜて泥にして…という風にです。5月19日には、この絵を水彩画でもう一度描く予定です。

以下、宿題についての説明です。以下、プリントアウトして注意深く読んでください。次回クラス:5月19日

1)『遠野物語』より、オクナイサマ の要約文を仕上げる。(いつもどおり、カラーコピーして渡してあげてください。コピー用に大きい画像を、別に送ります。)

2)「お米はどうやってできるの?」のハンドアウトをしっかりと、音読する。ご家庭での食事の時間などに、何回か、「お米はどうやってできるの?」と聞いてあげてください。(そのあと一緒に、このハンドアウトを読んでみてください。)

3)ミツバチが好きな植物(蜜源植物)のミックスの種をお渡ししました。(それぞれの笛の袋の中に、ホイルに包まれて入っています。)ぜひ、お家で植えてみてください。できれはオーガニックの、栄養たっぷりの土を使い、可能な限り、直射日光の当たるところに置いてあげてください。そして、変化が現れ始めたら、日記のノートに観察日記を文と絵でかいてください。(おそらく、種まきをして一週間くらいは何の変化もないと思います。)

4)笛(海とペチカ)

5)(これは前回も書いたことです。)こちらは、6月2日の授業までの宿題です。三人のお母様のそれぞれの出身県の中で有名な川について、調べて来て、それを6月2日の授業で発表してもらいます。メインレッスンブックに県の地図とその川の場所を描き、その川にまつわる、郷土史やむかし話など(その川は何で有名なのか、など)を、ごく簡単に調べて書いてきて、6月2日の授業で発表してもらいます。5月12日からは、6月9日の終業式まで、授業が毎週となりますので、今からアイデアを練り始めてください。日本のことについて調べるのは、お子さん一人ではまだ無理ですので、ご家族みなさんで、協力して、家族プロジェクトとしてとりかかってください。

以上、長くなりましたが、よろしくお願いします。
BNJCC小学部高学年担任SSC
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先生のノート
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生徒たちが即興で描いた黒板画
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母の日カード
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筆で書いた字にも、とても心がこもっています。

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