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ブルックリン虹のかけ橋日本語学校
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2018年3月10日小学部高学年授業報告

3/17/2018

 
本日は少し変わった試みをしました。これから後期の授業で勉強していく、日本の地理や郷土史の準備として、日本地図を作ってみることにしました。ただ白地図を描くだけでは物足りない、何かもう少し感覚的に日本列島という、日本という国のフィジカルな姿に近づき、それを理解することはできないか。そう考えて、逆説的ではありますが、ブルックリンの、この地のこの土を使って、日本地図を作ることにしました。

まずはじめに、バックヤードに行き、庭の片隅にまだ残っている氷と化した雪の塊を、容器に入れました。次に、スコップで一人づつ、土を一杯すくい、同じ容器に入れました。速やかに教室に戻り、黄色と青の絵の具を、その雪と土の入った容器に加えました。雪が思ったよりもすぐには融けないので、三人の生徒は窓辺の暖炉のところへそれを運び、そこでせっせと雪を融かし、次第に黄色と青が混ざって緑になったことを確認しました。茶色っぽいのでもう少し青を混ぜらたいい、そんな風に相談しながら、程よい抹茶色の絵の具が、雪解け水でできました。

速く乾かしたいので今日の水彩画はいつもの wet-on-wet (濡らした紙に水に溶いた水彩画)ではなく、乾いた紙に、この抹茶色を塗りました。はじめ気持ち悪いと思った泥も、ところどころに入って、まさに筆に任せるままに色を塗りました。

抹茶色に塗られた画用紙を暖炉の上で乾かしている間に、次の作業に入りました。メインレッスンブックとブロッククレヨン(青、群青、青緑、紫の4色のみ)を取り出し、私が『古事記』の「国生み」の逸話を読んでいる間に、その話を注意深く聞きながら、ところどころ白い円を残して、見開き2ページにブロッククレヨンで彩色してもらいました。イザナギとイザナミが「こおろこおろ」と鉾で液状の流れをかきまぜ、ぽたりぽたりと「潮のしずく」をたらして、島をひとつづつ作り上げたあの有名なシーンです。そうです、その「白い円」がところどころに浮かぶ、青ー群青ー青緑ー紫の背景は、「くらげがただようように、水にうかんだ油のように、うかんでは消え、消えてはうかぶ」土地なのです。

次に、私が用意した日本列島の地図をコピーしたものを、生徒それぞれに、その輪郭をはさみで丁寧に切ってもらいました。三千以上もあるという(数え方によっては六千?)小さな島々は難しいので、北海道、本州、四国、九州の四つに限りましたが、それでもそれぞれの島の形はなんと複雑なのでしょう。はじめ北海道を切りおえて、まだこんなにあるの!とため息をつく生徒。あわや中国地方あたりを切り落としてしまいそうになった生徒。そして確かに切り取ったはずの四国がみつからなくなってしまった生徒。

日本列島の型紙がようやく切り終わる頃には、土入り抹茶色の画用紙も程よく乾きました。赤色鉛筆で丁寧に、自分で塗った紙の上に自分で切った型紙で線を引き、再度、日本列島をはさみで切りました。今度は画用紙なので分厚く、切るのはより困難です。こんな地道な作業を三人とも、根気よく、黙々と続けました。応援に、私は今三人が笛で練習している「ペチカ」を吹き、最後には生徒たちも歌いながら切り終えました。笛を練習する時間も、要約文を書く時間もなくなってしまいましたが、何とか3人とも、地図は仕上がりました。日本列島って、なんて複雑な形をしているのだろう、それだけは身に持って理解できたと思います。(まだまだ描き足さなくてはいけない島は、いっぱいありますね。)私も前日にこの作業をして、日本列島の海岸線を歩いているような、少し大げさですが、没我の境地を味わいました。どのようにして、こんな形の島々が出来上がったのか、素朴な疑問に駆られました。生徒3人が足元をそろえてできることには必ず何か美しいものがあると、今日また思いました。

***

今週の宿題です。お知らせが大変遅くなってしまいましたし、明日(3月17日)は遠足ですので、気長に、次回の授業日までに仕上げてきてください。また通常の授業は一ヶ月近く空いてしまいますので、追加の分の宿題も一緒に出しておきます。

なお、前回宿題に出ていた「鬼とばんば」の絵付きの要約文と、「ペチカ」の歌詞、TくんとDくんはそれぞれ大そうな力作を披露してくれました。どちらもあまりにもすばらしく、皆で歓喜をあげて眺めました。文も絵も、随分とがんばりましたね。これからもこの調子で、メインレッスンブックを仕上げて行きましょう。

3月10日〜4月7日 宿題(優先順)

1)松谷みよ子『日本の神話』より、冒頭の「国生み」のお話の部分をコピーして差し上げました。一気に読むには少し長いかもしれません。これは、要約文を書く作業の下準備なのですが、保護者の方は一回か二回、このお話をお子さまに読んであげていただけますでしょうか。一緒にテキストをみながら、保護者の方が音読するという方法がよいと思います。明日の遠足までに無理をしてする必要はないです。お時間のある時、ご家庭のくつろぎの時間に、2度ほど、一緒に読んであげてください。

2)読んで話を思い出してから、「国生み」の要約文の書写をしてください。ご面倒で恐縮ですが、私のノート(下に添付、5番目の写真、印刷用に大きいファイルを別に送ります。そちらをご利用ください。)をカラーコピーして渡してあげてください。
a) まずはじめに、下線を青い色鉛筆で12本、定規で引く。
b) テキストを書写するのは、色鉛筆で、先生の色と全く同じように注意して書くように気をつけてください。背景がついていて、手書きがコピーでは見にくいかもしれないので、タイプした要約文も別にお送りします。適宜、ご参照ください。

3)「ペチカ」を笛で、引き続き練習する。明日の遠足でも、植物園で練習しますので、笛を忘れないように持ってきてください。Ab(ラのフラット)の音は、スムーズに出るようになりましたか?半音は穴を半分塞ぐことによって出します。ちょっとびっくりするような音になりますが、この音の響きも楽しんでくださいね。

4)4月7日にクイズする漢字:
国(2)、生む(1)、土地(1、2)、国(2)、造る(5)
女神(1、3)、男神(1、3)、島(3)、本州(1、3)

5)(追加の宿題)
「国生み」のお話は、読む練習に何度も何度も読んでもらって結構ですが、要約文を書いたら、もう読まなくても結構です。次に、メインレッスンの内容とは直接関係ないですが、毎回、それぞれに読み物を出します。明日の遠足に「落語絵本」というシリーズより、三人にそれぞれ一冊づつ、帰りに渡しますので、とにかく音読する練習を、4月7日までに家で励んでください。本はどれも新品ですが、私の私物ですので、笛と同様、失くさないように、大切に取り扱ってください。次回のクラスで、それぞれの生徒に、読んだ話の何が面白いのか、簡単に口頭で説明してもらいます。

小学部高学年担任 S
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雪と土で絵の具を溶かしているところ
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黙々と作業をする生徒たち
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先生のノート
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生徒のノート(右側に要約文を書いて仕上げるのは宿題です)
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生徒のノート
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生徒のノート
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生徒が宿題で仕上げてきたノート
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生徒が宿題で仕上げてきたノート
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