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ブルックリン虹のかけ橋日本語学校
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12月9日 小学部高学年授業報告

12/12/2017

 

アドベントを迎えても、比較的穏やかな日が続いていましたが、今朝は一段と冷え込みました。今日は朝から保護者の皆様も、まずは小学部の、そして学校全体のコミュニティーミーティングと、お疲れさまでした。朝の会と体育の時間が終わる頃、予報どおりに雪が降り始めました。急に寒くなりましたので、体調が万全ではない生徒が多く、Tくんは早退きとなってしまいました。お家でゆっくり休養できましたでしょうか。

そのような訳で、本日のメインレッスンは少し寂しく、DくんとLちゃんの二人だけでした。まず、C先生が作成してくださった漢字のクイズをしました。難しい字も含まれていましたが(「巨人」「不思議」「鎖」など)書けなかったところはおさらいしておきましょう。

次に、前回代行の先生と一緒に勉強した「プロメテウスの火」の要約文の書写が二人とも文の途中で終わっていたので、きりのよいところまで文を書きました。約一ヶ月間学校がありませんでしたので、話の内容を思い出すためにも、キーワードとして、5年生にぜひ知っていてほしい大切な漢字・熟語を私が板書して紹介しながら、いろいろと物語の細部について話し合いました。今日学んだ漢字は以下のものです。(数字は通常習う学年を示しています。)

地上(2)
戦争(4、4)
味方(3)
人間(1、2)
武器(5、4)
火の花
かん臓(6)
自由(2、3)

特に、太字になっている「戦争、味方、武器、(かん)臓」は、高学年のみなさんにぜひ知っていてもらいたい概念なので、しっかり読み書き、練習しましょう。上の8個の熟語の読み書きを次回テストしますので、時間はあまりないですが、準備してきてください。ただ書ける、読めるでなく、意味もしっかり覚えてほしいので、テストは「プロメテウスの火」の内容だけはなく、少し応用した、ちょっと頭をひねらせるようなものも含む予定です。(テストは今回は前もってお渡ししません。なお、最後の「自由」は黒板に書きませんでしたが、意味、読み方を確認して、メインレッスンブックに書き足しておいてください。あと、Lちゃんは絵を描くのに夢中だったので「かん臓」の「臓」を書きませんでした。「心臓(ハート型)、じん臓(豆型)」と一緒に、板書の写真を参考に、ノートに書き足しておいてください。)

次に、「そこで、プロメテウスは、空にきらきらとかがやいている、あのゼウスのふしぎな火の花を、人間にとってきてやることにしよう、といいました。そして、アシの茎をもって、雲の上のオリュンポス山へのぼっていって、赤い火の花をこっそりアシにうつすと、地上におりてきました。」(石井桃子編訳、『ギリシア神話』, pp. 21-22) という一節に焦点を置き、その情景をまずメインレッスンブックに、絵にしました。

イメージが豊かになったところで、今度は同じ場面を水彩画で描きました。始めに「レモンイエロー」で大まかな輪郭や山、天と地の境を描き、次に「プルシアンブルー」で空、そして黄色とまざって山が緑になり、また大地の上に蘆が出て、次にいよいよ「レッド」で火の花が茎にぽっと灯り…と、色の世界がにじみとともに、広がります。同じ画材を使って描いても、十人十色になるのがにじみ絵の醍醐味です。

「あー、このいろきれいだね」とLちゃん。空の青が赤い花と混ざって思いがけなくきれいな紫色の雲が出現して、嬉しそうでした。Dくんの絵は、とても力強く、ほのぼのとした「火の花」が元気いっぱいに咲きました。集中して描いたので、ちょっと一息と窓に目を向けると、しんしんと雪が降り続けています。暖炉の暖かみを直に感じながら(=窓の下のオイルヒーターに寄りかかって)、鮮やかな色彩に疲れた目を白い雪で休めるなんて、何と贅沢なことでしょう。

私は先日、あるところでシュタイナーの「十二感覚」についての講義を聴いたのですが、そこで学んだことによると、触覚にはじまるこの「十二感覚」、生命感覚、運動感覚、バランス感覚、臭覚、味覚と続いて、7番目が視覚、8番目が暖かさ、9番目が聴覚となっています。(そして10番目が言語感覚、11番目が思考、12番目が自我…と、段々高次なものになっていきます。)水彩画で色彩に没頭し、また降り積もる窓の外の雪も眺め、暖炉の温かみを体に心地よく感じていると、自ずから聴覚の世界へと私たちは誘われました。

特にそのように意識的に授業の進行を計画した訳ではなかったのですが、頭と目を精一杯使ったので、自然と、あとはリラックスしながら課題となっていた『枕草子』の冒頭の暗唱の練習に移りました。今日はただ暗唱をするだけではなく、これからお正月の会に向けて、これをパフォーマンスとして仕上げていくにあたり、ライアーの音も入れてみようと、暗唱する前にそれぞれがライアーでグリッサンドを一度して、その音の静けさに聞き入ったところで声を出す、春(全員)ー夏(Dくん)ー秋(Lちゃん)ー冬(Tくん)と、バトンのようにライアーを手渡して季節を繋げていく、そういう構想ですよ、と説明しました。清少納言の言う、「おかし」「あはれ」という心情は言葉では説明しにくいけれど、ライアーの音が静寂の中に消えていく、その余韻のもたらす感動と似ていると思うのです。消えていく音をしっかり聞きながら、四季それぞれのしみじみとした情景を心に思い、声を出して見ましょう、と。ライアーは爪弾きではなく、指の腹でやさしく弦に一本一本ずつ触れ、音を出しましょう、と。

最近ギターを習い始めたというLちゃんは、ライアーを一旦抱きかかえたらもう離さず、この楽器はペンタトニックで調弦されているので弾ける曲は限られているのですが、それでは「出た出た月が/ レシレシソラシ」を弾いてみようかと私が言うと、間も無く、今日初めて触れた楽器で早速に弾いてくれました。「これどこで買ったの?」と、大層この楽器を気に入ってくれたようです。

Dくんもそんな瑠菜ちゃんとライアーを眺めて、「星みたい」だね、とその丸っこい形が気に入ったようです。すると、Dくんが「もういっかいやってみる」と、暖炉の上から突如と飛び降りて、カバンの中から自分の笛を取り出して、「ソミソミドレミ〜」と笛で「月」を吹き始めました。(Dくんが「もう一回」と言ったのは、朝の放課の時にすでに、私と笛の特訓をしていたからです。)ライアーがペンタトニックなので、それでは「レシレシソラシ〜」に移調して吹いてみましょうと、その場ですぐに、ライアーと二本の笛のアンサンブルになりました。暖炉の上に座り、三人で窓の外の降り積もる雪を眺めながら、ライアーと笛の即興演奏。それがどれだけ美しく、心温まるものであったか、思い出しただけで微笑ましく思います。

教育において、生徒それぞれが自発的に何かをやりたい、成し遂げたいと思う気持ち、その行動力に勝るものはない、と改めて実感しました。そのような気持ちが芽生え、行動に移された瞬間、もうすでに何か美しいことが起こっています。初雪のこの日は、教師である私も感覚的に、いつも以上にすばらしい経験をさせていただくことができました。16日は今年最後の授業となります。二週続きとなりますが、漢字テストの準備、今週もがんばってください。(次回は古代ギリシャの楽器について勉強します。冬休み中の課題も説明しますので、お楽しみに!)

小学部高学年担任

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「プロメテウスの火」より、漢字
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生徒のメインレッスンノート
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生徒のメインレッスンノート
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生徒のメインレッスンノート
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水彩画を描き終え、窓の外から雪を眺めている
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雪が降り積もる中、暖炉の上で、作品を乾燥させている
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生徒が描いた、個性豊かな「赤い火の花」
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ライアーと笛の即興演奏が始まりました

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