時の経つのは早いもので、もう10月ですね。先日の9月27日は秋の豊穣をお祝いする聖ミカエル祭の日でした。ヨーロッパを中心に、主にキリスト教でお祝いされていますが、セント・ミカエル(St. Michael)はユダヤ教・キリスト教・イスラム教で讃えられている3大天使の一人です。私たちが使わせて頂いている施設の本校でも聖ミカエル祭の行事が行われたようです。担任の勤めるニューヨーク校外のシュタイナースクールでも、今年は1年生から12年生まで総出で聖ミカエルの勇士を讃える劇を行いました。ある日、村がドラゴンに襲われ、娘が捕らわれてしまいます。勇者ミカエルはドラゴンを倒して娘を救い出し、村に平和をもたらすというお話です。秋分が過ぎ、夜が昼よりも長くなり、冬を迎える準備を行う時期で、私たち人間は内面に向かって行きます。ドラゴンを自分の中の弱い部分や暗い部分にたとえ、聖ミカエルのように自分の中の悪と戦い、打ち勝つという意味があります。
登園の際、ご両親と離れるのが難しいお子さまがいらっしゃいますが、まさに自分の中の弱さと戦い、勇気を振り絞るさまはドラゴンと戦う勇者のようです。お子さまがこのような状態にあるご家庭は、聖ミカエルの時期的なものもありますので、普通なことなのでご心配なさらないで下さい。少しぐらい泣いても大丈夫です。私たち教師はお子さまの自立のため、幼稚園での共同生活のため、この場にいます。登園の時、保護者の皆さまは「先生にお任せすれば大丈夫」「うちの子は大丈夫」という心を強く持ち、長居をしないで、準備が出来たらすぐにお子さまを教師にお引き渡し下さい。その場で泣いたとしても、保護者の皆さまがいなくなれば、すぐに泣きやみますのでご安心下さい。 前回10月3日(土)はハリケーンホアキンの影響もあり、大雨の心配もありましたが、幸いにも外へ行く時には雨は止んで、風が強いだけで、バックヤードでの外遊びは子ども達にとってとても楽しいものになりました。フェンスに深緑色のタープが取りつけてあったのですが、風でそれが高く舞い上がり、子ども達はキャーキャー喜んでいました。また、裏庭には真っ黒の泥の水溜りがあり、泥んこになって遊びました。さすがに都会の子ども達です。ちょっと長靴に泥がついただけで、「気持ち悪~い!」「きたない!」と汚れるのを嫌っていましたが、これが我が子達の学校の生徒のように田舎の子ども達になると、全身泥だらけになっても一日中、転げ回って遊びます。 お母さま達にとっては泥だらけで洗濯が大変かもしれませんが、泥だらけになって遊ぶことは幼児にとって健康的なことです。土と触れ合うことによって脳のセロトニンが分泌し気分を高揚させ心配ごとや不安を失くすそうです。また、認知機能を改善させ、様々な病気などにもいいことが研究でわかっているそうです。シュタイナー教育では雨が降っても雪が降っても外遊びをします。雨の日には雨の中の遊びが、雪の日には雪の遊びがあります。たとえ、泥だらけになって帰って来ても「あ~あ、こんなに汚して!」というネガティブなコメントではなく、「楽しく遊んできたわね~!」というくらいのポジティブなお気持ちで受け止めて差し上げて下さい。 おやつは、おにぎりを作って食べました。みんな、上手に握れました。昆布・おかか醤油・塩昆布・海苔などが集まりました。とてもおいしくて、10合炊いたご飯が全部なくなってしまいました。平均して全員2個ずつ、3個目を食べた子もいました。おにぎりに海苔を巻いたら、日本にいるおばあちゃまが作ってくれた巻き寿司を思い出して話してくれた子もいました。 クラフトは先々週から2回続けて作っていたウェットフェルティングのリンゴを完成させましたが、お迎えの時にこちらのミスでお子さま達に持って帰って頂くのを忘れてしまいました。次回のクラスの時には必ず、お渡ししますね。 この日は、LTくんのお父さまのHさんがクラス写真の撮影に来て下さいました。お天気は悪かったのですが、全員出席でクラス写真が撮れてよかったです。IBちゃんのお母さまのYさんはおにぎり作りのお手伝いを、また、SNちゃんのお母さまのMさんがお片づけのお手伝いをして下さいました。お三人ともありがとうございました。Yさん、急な時間変更でも臨機応変に対処して下さって、ありがとうございました。また、どうぞよろしくお願い致します。 季節の歌は以下の通りです。 「お寺の和尚さんがカボチャの種を蒔きました、芽が出て膨らんで、花が咲いて実がなった」 「あれ松虫が鳴いている、チンチロチンチロチンチロリン、 あれ鈴虫も鳴き出した、リンリンリンリンリーンリン、 秋の夜長を鳴き通す、ああおもしろい、虫の声。 キリキリキリキリ、きりぎりす、ガチャガチャガチャガチャ、くつわむし、 あとからウマオイ、追いついて、スイッチョン、スイッチョン、スイーッチョン、 秋の夜中を鳴き通す、ああおもしろい、虫の声」 「うさぎうさぎ、何見て跳ねる、十五夜お月さま見て跳ねる」 「げんこつ山のたぬきさん、おっぱい飲んで、寝んねして、抱っこして、おんぶして、また明日」 「小さなうさぎ、どこにいる?どこにいる?ニンジンあるよ、早く出ておいで、 ホップホップホップ、ホップホップホップ」 最後の「小さなうさぎ」は「こぎつねコンコン」のメロディーで歌います。 もし機会がございましたら、ご家庭でお子さまと是非、一緒に歌ってみて下さい。 T先生のユーリズミーでは「おむすび(B)の入ったオベ(B)ントウの入ったカバ(B)ンを持って出かけた先で出会ったヘムヘムとお友達のぺムぺム」のお話と以下の曲をしました。 「ここへ来てよ、日の光、お庭の花も、芽を出した、 ここへ来てよ、日の光、私の心も、歌い出す」 「ずいずいずっころばし、ごまみそずい、茶壷に追われて、とっぴんしゃん、 抜けたらどんどこしょ、俵のねずみが米食ってちゅう、ちゅうちゅうちゅう、 おっとさんが呼んでも、おっかさんが呼んでも、行きっこなしよ、 井戸の周りで、お茶碗欠いたの、だあれ」 「うさぎ、うさぎ、何見て跳ねる、十五夜お月さま見て跳ねる」 「風そよぐ、銀色の月、お花おやすみ、花びら閉じて、風そよぐ、銀色の月」 今週の土曜日はすみれ組はありません。次のクラスは来週の土曜日の10月17日になりますので、お間違えのないようによろしくお願い致します。お米1合とリンゴを一つ、お持ち下さい。寒くなって参りましたので、外遊びのため、必ず暖かいジャケットやウールの帽子、防寒具を持たせて下さい。雨の日には、レインパンツ・レインジャケットをお忘れなくお願い致します。 10月3日(土)のワークショップにたくさんの方のご参加頂き、ありがとうございました。とても評判がよく、また来て頂きたいという参加者の方達のご希望をお聞きしましたので、是非来て頂きましょう。また第二弾を企画致しますので、その時は今回参加出来なかった皆さまも今度は是非ご参加下さいね。とても素敵な先生です。ワークショップとは別にボランティアで、10月31日(土)にはニードルフェルティングを教えに来て下さるともおっしゃっていますので、その時もどうぞお見逃しなく。 寒くなって参りました。次のクラスでお会いするまで、皆さま、お風邪など召しませんようにお元気でお過ごし下さい。 すみれ組担任 追伸: おまけ情報です。 来る10月10日(土)、担任の子ども達が通うウォルドルフスクールでは、毎年恒例のフォールフェアが開催されます。今週はお寿司作りのための準備やお菓子作りに励み、フェアではテーブルパペットで人形劇をする予定です。お時間のある方、また、秋の紅葉狩りにドライブでニューヨーク州チェストナットリッジまで、ご家族で足を延ばしてみてはいかがでしょうか。添付の写真は人形劇のセットです。たくさんの動物達が出て来る秋のお話(英語)です。(フォールフェア情報: http://www.gmws.org/page.cfm?p=533 ) 以下は、外遊び・土遊びの大切さに関連した記事(英語)です。ご夫婦でご一緒に読んで話し合ってみて下さい。 "What can Parents Do for Their Child's Healthy Brain Development?" http://www.waldorf-resources.org/articles/display/archive/2015/05/12/article/what-can-parents-do-for-their-childs-healthy-brain-development/061324b093f6318c0f62fc846cf08ec0/ "It's in the Dirt! Bacteria in soil makes us happier, smarter" http://www.healinglandscapes.org/blog/2011/01/its-in-the-dirt-bacteria-in-soil-makes-us-happier-smarter/ "Scientists Say Child's Play Helps Build A Better Brain" http://www.npr.org/blogs/ed/2014/08/06/336361277/scientists-say-childs-play-helps-build-a-better-brain?utm_campaign=storyshare&utm_source=facebook.com&utm_medium=social Comments are closed.
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October 2020
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